読書随所浄土

第2回 私の初節句

私は昭和21年6月生まれ、祖父菊池寛が昭和23年3月6日に逝っているから、この写真は昭和22年の五月五日端午の節句の日に書かれたに違いない菊池寛直筆の日記である。

書き出しのトキノミドリは、彼所有の競馬馬の名前。資料によれば昭和4年ごろから菊池寛は、生涯66頭の馬を所有した。
その中でトキノから始まる馬は17頭いる。競馬の逸話は、後に書く!
「今日は夏樹(夏材?夏坊?祖父は私をナツボクとかナツボウと読んでいた)とトーガンの御節句也。」
夏樹は、菊池寛の長男英樹の息子で私のこと、トーガンは寛の次女ナナ子の長男で、生まれてすぐに逝ってしまった。
私の母は乳が出なかったため、私は叔母ナナ子の乳で育った。叔母ナナ子は、私の第二の母と言ってもいい。

写真提供:菊池寛記念館